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                2009 / 10 / 1
       ≪熊本産業保健推進センターメールマガジン≫
                 第25号
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 トピックス
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1 熊本県最低賃金が改正されます。
   熊本県最低賃金が
    10月18日より 時間額630円
に改正され、現行の金額より2円(0.3%)引き上げられます。
 産業別最低賃金に該当する場合は、当該最低賃金が適用されますが、産業
別最低賃金が適用される産業の労働者であっても、次のいずれかに該当する
者は熊本県最低賃金が適用されます。
(1) 18歳未満又は65歳以上の者
(2) 雇入れ後6カ月未満の者であって、技能習得中の者
(3) 清掃又は片付けの業務に主として従事する者
(4) その他軽易な業務に主として従事する者で産業別最低賃金の適用
    を除外される者
詳しくは、熊本労働局労働基準部賃金室(TEL 096−355−3202)
熊本市二の丸1−2合同庁舎内)又は最寄りの労働基準監督署へお尋ねくだ
さい。
http://www.kumamoto-sanpo.jp/documents/saiteichingin.pdf

2 等価振動加速度実行値(日振動ばく露量A(8))の計算テーブルについて
 振動障害は、従来、林業のチェーンソー取扱作業者や鉱業のさく岩機取扱作
業者に多く見られましたが、最近は、建設業、製造業等の振動工具取扱者にも
発生しています。振動障害は、振動工具の使用に伴って発生する振動が人体に
伝ぱすることによって多様な症状を呈する症候群で、振動障害を防止するため
には、振動のできる限り少ない工具を選び、加えて@作業時間の管理、A健康
診断、安全教育の実施が重要となります。
 作業時間の管理には、使用する工具の取扱説明書等に記載された「周波数補
正振動加速度実行値の3軸合成値」と一日当たりの振動ばく露時間から日振動
ばく露量A(8)を求め、振動ばく露時間の抑制等の措置を講じる必要がありま
す。
 日振動ばく露量A(8))の計算テーブルが、安全衛生情報センターホームペ
ージの「トピックス(お知らせ)」に掲載されていますので、参考に適正な作業
管理を行っていただくようお願いします。
http://www.jaish.gr.jp/

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 研修・セミナー案内
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☆★☆10月1日より12月1日以降の研修会の受付を開始しました☆★☆

○熊本産業保健推進センターの研修会○
場 所:熊本産業保健推進センター会議室(熊本市花畑町1-7MY熊本ビル8階)
時 間:14:00〜16:00(異なる場合は、「※注」を記載)
参加費:無料
※契約駐車場の無料券の配布は3月で廃止いたしましたので、来所の際は、公共
交通機関をご利用下さい。

【今月】
☆10月 7 日(水) 『職場における自殺の予防と対応(1)』
                         岡田 修治 相談員
「自殺予防セミナー」より研修を行います。

☆10月16日(金) 『職場復帰支援対策(早期復職を目指して)』
                         小柳 敦子 相談員
メンタル疾患等で休職中の労働者への支援方法、対策などについて研修を行い
ます。  「※注 14:30〜16:30」

☆10月19日(月) 『衛生管理に必要な労働衛生関係法令(U)』
                        藤田 泰生 相談員
衛生管理者として知っておくべき関係法令について、クイズ形式で勉強し
ていく研修会を行います。

☆10月20日(火) 『製造業における騒音管理』 島村 佳子 相談員
・データ処理の方法・管理区分の出し方・対策事例(業種の特徴性を考慮して)
などについての研修を行います。

☆10月28日(水) 『積極的傾聴法(U)』   廣P 靖子 相談員
“人から話を聴いてもらうことによって、話し手にどんな変化が起こるので
しょう”

【来月】
☆ 11月9日(月) 『粉じんに関する作業環境管理』山口 浩一 相談員
粉じんの物性、有害性、測定等について研修を行います。(実際に測定を行い
ます。)

☆11月16日(月)『メタボリックシンドロームの予防と対策』
                        稲田 美和子 相談員
@肥満解消の食事A減塩食の実際B食事バランスガイド活用法C生活習慣
の改善(喫煙・飲食・運動)などについての研修会です。

☆11月17日(火)『テクノストレスにならないために』
                        島村 佳子 相談員
〜VDT作業における健康障害予防〜
・拘束性の強いPC作業は身体と心にストレスがかかります
疲労をためないオフィスのDVD作業についての研修を行います。

☆ 11月19日(木)『実地研修』〜衛生管理のための職場巡視の進め方〜
                        石原 徳一 相談員
安全衛生管理において重要となる「職場巡視」の進め方を考える研修です。
今回は、「日立造船有明工場」にお伺いして、実際に工場内を巡視(見学)さ
せていただきます。

☆11月25日(水)『事例検討(T)』〜カウンセリング等〜
                        廣P 靖子 相談員
(対応に困っている事例があれば、ご持参ください。)

当センター研修会の申込みは、こちら→ http://www.kumamoto-sanpo.jp/session/index.html

▲研修会の定員は各18名です。お申し込みはお早めに。

〜その他の研修会ご案内〜

◎平成21年度九州心理相談員会 第3回研修会のご案内
日 時  平成21年10月3日(土)11:00〜17:10
場 所  九州電力 キレイ・ライフプラザ イリス熊本会議室
(熊本市上通町2番17号 びぷれす熊日会館7階 TEL096-326-1666)
研 修  「認知行動療法の基本」
講 師  有村達之 先生(九州大学心療内科、臨床心理士)
対 象  九州心理相談員会員、人事労務担当者(14時からの研修会の
     み参加可)
定 員  70名
後 援  福岡産業保健推進センター
     熊本産業保健推進センター
※申込み等詳細は、当センターHP内のトピックス(PDF)に掲載しています。
 (下記へ)
 http://www.kumamoto-sanpo.jp/documents/shinrisoudanin_000.pdf
・会員向け「九州心理相談員会」ホームページ
 http://www18.ocn.ne.jp/~k-shinri/

◎「母性健康管理研修会」  (厚生労働省委託事業)
 男女雇用機会均等法では、事業主に対して、妊娠中及び出産後の女性労働
者に必要な母性健康管理の措置の実施を義務付けています。本研修会は、産
業医等の産業保健スタッフの方に、母性健康管理についての知識を深めてい
ただくための研修会です。
1.開催日時  平成21年11月 11 日(水)(13時00分〜17時00分)
2.開催場所  メルパルク熊本(2階「有明の間」)
        熊本市水道町14−1 (TEL096−355−6311)
3.参加対象者  産業医、医師、保健師、助産師、看護師、衛生管理者、
         機会均等推進責任者等の産業保健スタッフのみなさま方
4.講師 熊本労働局雇用均等室長 溝口 悦子
      たけもと産婦人科 院長 竹本 純一
      三菱電機褐F本工場 専属産業医 礒田 英華  (敬称略)
5.定員  100名(先着順にて定員に達し次第締め切らせていただきます。)
6.参加料  無 料
※日本医師会「認定産業医」基礎後期研修4単位、または生涯更新研修1単位
・専門研修3単位が取得できます。
  申込み等詳細については、コチラへ
         http://www.kumamoto-sanpo.jp/documents/bosei.pdf

◎「メンタルヘルス対策及び過重労働による健康障害防止対策に係る研修会」
産業医等の医師(産業医等の労働者の健康管理、面接指導等に携わる医師)
が、事業者に対してメンタルヘルス対策及び過重労働対策を助言指導するに
当たっての資質向上を図るための研修会です。 (厚生労働省委託事業)
1.開催日時  平成22年1月 23 日(土)(13時00分〜17時00分)
2.開催場所  熊本国際交流会館4階(第3会議室)
        熊本市花畑町4番8号 (TEL096−359−2020)
3.参加対象者  産業医等労働者の健康管理、面接指導等に携わる医師の
         みなさま方
4.講師 (医)佐藤会 弓削病院 診療部長 岡田 修治
      ソニーセミコンダクタ九州梶@専属産業医 小柳 敦子 (敬称略)
5.定員  70名(定員になり次第締め切らせていただきます。)
6.参加料  無 料
※日本医師会「認定産業医」基礎後期研修3.5単位、または生涯更新研修
3.5単位が取得できます。
  申込み等詳細については、コチラへ
       http://www.kumamoto-sanpo.jp/documents/sangyouitou.pdf

◎「精神科医等に対する産業保健に関する研修会」 (厚生労働省委託事業)
精神科医等の医師が事業場からのメンタルヘルスに関する相談等に適切に対
応することが出来るよう資質の向上を図るための研修会です。
1.開催日時  平成22年1月 23 日(土)(16時00分〜19時20分)
2.開催場所  熊本国際交流会館3階(研修室1)
        熊本市花畑町4番8号 (TEL096−359−2020)
3.参加対象者  精神科医等のみなさま方
4.講師 熊本大学大学院医学薬学研究部 助教 皆本 景子
      元熊本大学大学院医学薬学研究部教授 
      熊本大学 名誉教授 上田 厚   (敬称略)
5.定員  15名(定員になり次第締め切らせていただきます。)
6.参加料  無 料
※日本医師会「認定産業医」基礎後期研修3単位、または生涯専門研修3単位
が取得できます。
  申込み等詳細については、コチラへ
http://www.kumamoto-sanpo.jp/documents/seisinkaitou.pdf

◎「企業のための新型インフルエンザ対策研修」 (厚生労働省委託事業)
(主催:中央労働災害防止協会熊本県支部)
1.開催日時  平成21年10月 28 日(水)(13時30分〜16時00分)
2.開催場所  KKRホテル熊本
        熊本市千葉城町3−31(TEL096−355−0121)
3.参加対象者  中小事業場の代表者・管理者、労働衛生担当者など
4.講師 小柳 敦子 先生(認定産業医・労働衛生コンサルタント)
5.定員  100名(定員になり次第締め切らせていただきます。)
6.参加料  無 料
  申込み等詳細については、コチラへ 
   http://www.kumamoto-sanpo.jp/documents/inhuruenza.pdf

※平成21年11月 6 日(金)(於:熊本県医師会館)予定の
「石綿(アスベスト)関連疾患診断技術研修会」 につきましては、定員に
達しましたのでお知らせ致します。多数の参加申込みをいただき有り難う御
座いました。

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 相談員のひとりごと  基幹相談員 加藤 貴彦(産業医学担当)
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生命は利己的か?!(第2回)−利己的な遺伝子から利他的な細胞へ−

前回は生物を構成する情報をつかさどる遺伝子の利己性について述べた。今
回は、細胞レベルで、生命について考えてみたい。
利己的な遺伝子から利他的な細胞へ
 生物の個体を考えてみると、約60兆個もの細胞が実にうまく役割分担を果
たしていることに気付く。個体を構成している細胞は、それぞれ誕生と死を
繰り返しているが、それは極めて高度なメカニズムによって制御され、その
結果として、協調的な集合体、すなわち組織を編成している。そこでは、生
殖細胞を除いて、すべての細胞は強者選択による生存よりも自己犠牲という
法則に従う。
 この関係は体細胞と生殖細胞において最も顕著であるが、体細胞と体細胞
のあいだにおいても成立する。例えば、創傷治癒のプロセスで傷を埋める細
胞は、いったん過剰に分裂増殖し、その後、余分な細胞が選択のプロセスに
よって選択をうけ、最終的な形をつくるに必要な数まで減らされる。ある細
胞は、組織・個体を維持するため、別の細胞の犠牲になるわけである。
 しかし、実は、この現象は自己遺伝子の保存という観点から見れば、不思
議なことではない。なぜなら、一つの個体には一つの受精卵から発生してお
り、遺伝子としてはモノクロナールである。他の細胞の生につながる細胞死
(自己犠牲的死)は、自己の遺伝子を残すこと、すなわち自己自身を生かす
ことに他ならない。こうした細胞死の概念は、J・ケルーらが言い始めた
”Apoptosis”の概念に近いものと考えられ、細胞は本来、寿命が遺伝子とし
てプログラムされており、その致死遺伝子とも言うべき遺伝子が、様々な生
理的条件によって発現されるということである。
 高度な共同社会を構成している組織・個体では、日常、病的な原因による
細胞死よりも、こうした利他的な細胞死の方がより多くおきているのである。
自己犠牲的な細胞死は、個体死の中でとらえてみると、実は自己の遺伝子を
維持するための細胞の利他的な行動なのである。
 ところで、癌細胞をこの視点から見ると、協調性を運命づけられている個体
の中で、利他性を失い、ひたすら自己増殖を続ける細胞と言える。癌細胞の増
殖性は、異常な遺伝子に永遠の寿命を獲得させることになるが、それは個体
の単位でながめると、最終的には癌細胞を担った個体を死に導くことになる。
すなわち、これは癌細胞自身の死なのである。現在、癌発生の初発段階とし
て遺伝子に何らかの異常が発生していることは明らかであるが、癌細胞の遺
伝子というのは、細胞としては無限の増殖性を獲得したが、個体の中では自
己保存ができないことになる。細胞の協調性によってのみ成立する個体の中
で、癌細胞遺伝子は自己保存に関して矛盾が生じてしまう。
 次回は、個体レベルで考えてみたい。              

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 編集後記
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残暑(?)きびしい折、皆様いかがお過ごしでしょうか?シルバーウィーク
と言われた9月の連休も終わり、一息つく間もなく業務に専念されておられ
る事でしょう。
10月1日からの全国労働衛生週間の準備期間としての9月中には、多数の
ビデオ・DVDの貸出申込みがありましたが、同時期に重なり貸出中などもあ
りご不便をお掛けして申し訳ありませんでした。
さて、センター職員は9月に県内各地で開催の衛生管理講習会にお邪魔して
業務案内等をさせて頂きました。また、当センターホームページには、毎月
4千件近くのアクセスがありますが、一般にはまだ知名度も低く、ご存じな
い事業所様もあります。新たにセンター内に設置した「メンタルヘルス対策
支援センター」での相談や研修会の開催、そして、メンタル・カウンセリン
グ以外でも、産業医学・労働衛生工学・労働衛生関係法令・保健指導などの
専門スタッフによる相談の対応など、とても有用で新鮮な情報源としての業
務を行っておりますので、これからも周知を図っていきたいと考えておりま
す。今月6日(火)には、「平成21年度熊本県産業衛生大会」がホテルキャ
ッスルで開催されます。当センターも展示スペースをいただき、来場の方々
にアピールしたいと思っておりますので、お越しの節は是非お気軽にのぞい
て見てください。
 まだ、この残暑で熱中症も気が抜けません。どうぞ皆様には、健康診断や
人間ドック等受検され、さらなる健康の保持増進に努められ、今後とも事故
のない快適な職場を目指して行きましょう!
 そして、食欲の秋・・が待ってます!!

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 次回の第26号は11月2日(月)配信予定です。
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編集内容等に関するご意見・お問合せなどをお寄せください。
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